英国王立造幣局発行保証書付きの貴重な逸品
販売価格 30,000,000円
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デザイン
ウィリアム・ワイオンによる若きビクトリア女王の左向きの肖像だ。
前髪は五つのカール、後ろ髪は九つの葉で飾られており、縁には「VICTORIA D: G: BRITANNIARUM REGINA F: D:」の文字が刻まれている。
裏面には女王が英国のライオンを率いる姿が描かれており、その上部を飾るのは「DIRIGE DEUS GRESSUS MEOS」の文字である。
そしてエッジには「DECUS ET TUTAMEN * ANNO REGNI TERTIO *」と刻まれている。
ビクトリアの初期プルーフセットの一部として導入されたこの5ポンド金貨には、ウィリアム・ワイオンがエリザベス朝の有名な詩「妖精の女王」（エドマンド・スペンサー作）第一巻の主人公ウナとして若きビクトリアに見立てて描いている。
このコインが特別なのは以下の2つの要因が挙げられる。
1つは「職人ギルドの影響が及んだ最後の時代であり、彫刻技術が最高潮に達した時代の作品であること」。
もう1つは「英国が実質世界一の先進国としてトップクラスの工業技術（造幣）・芸術レベル（彫刻）を誇っていたこと」。
これらの条件が重なり、古今東西を見渡しても最高峰の芸術レベルを有した貨幣が誕生した。
コンディション
過去のオーナーが保管時にケアを施したとみられる修正痕・少々のスレがある一方で、何よりも肝心なデザインに於いてかなり良好な状態で残っていることから、彫刻には影響を及ぼさないよう細心の注意が払われたであろうことが見て取れる。
また、金貨らしい古色がみられるばかりでなく、充分なカメオ感も幸い失われておらず、巨匠ワイオンの一番の大傑作を存分に楽しめる鑑賞レベルを保っている。
※カメオ感：カメオブローチのようなデザインと平面のきれいなコントラストがあること
王立造幣局博物館の調査結果
このコインは複数回にわたるしっかりとした打刻が行われた形跡があり、その品質は伝統的なプルーフ貨の製造法として一貫している。
デザインに於いて最も高い標高の部分、例えば女王の髪やウナの体から摩耗が始まるものだが、このコインにはほとんど摩耗が見られない。
一方でフィールドには接地面に擦れた跡が相応に見受けられる。
特にライオンの後ろの部分には過去のオーナーによる手入れが施された跡が見られるが、これは小さなへこみを柔らげるためのものと思われる。
エッジ（縁）には他の「ウナとライオン」のコインと一致する銘文がある。
エッジの文字は下部では良好だが、上部では弱くなっており、特に「ANNO REGNI」の部分に弱さが見て取れる。
エッジには11時と1時の位置にへこみがあり、「BRITANNIARUM」の2つ目のRの上には小さなひび割れがある。
これらの特徴は、1981年にニューヨーク・国際コイン博覧会で英国コイン専門家であるE.G.V.ニューマンに提出された記録のものとほぼ一致している。
しかし記述のみであり、当時の写真がないため同じコインかどうかの断定は不可能である。
NGCの調査結果
本品の高解像度画像を検証した結果、修復跡がなければ「ＰＦ62ウルトラ・カメオ」となる可能性が高いとのこと。
資料番号：KM742、S-3851、W&R-278
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| 発行国 |
英国 |
| 額面 |
5ポンド |
| 発行年 |
1839年 |
| 重量 |
39.94g |
| 直径 |
37.8mm |
| 品位 |
0.917 |
| 材質 |
金貨 |
| 状態 |
極未プルーフ |
※記載してある重量/品位/直径等は資料上（造幣局等の記録文献など）の数値です。時代や地域ごとの製造成方法などによりごく微量の差異が発生します。
