20世紀スペイン絵画の巨匠、ホアキン・ソローリャ
2023年は、20世紀スペイン絵画の巨匠、ホアキン・ソローリャ(1863~1923)の没後100周年にあたる年です。これを記念して王立スペイン造幣局から発行されたコインをご案内します。コインの両面には、ソローリャの作品が描かれています。
<200ユーロ金貨>
◆表面:『自画像』
表面には、ホアキン・ソローリャの1909年作品『自画像』が刻まれています。オリジナルの油絵では、つば広の帽子を被りパレットを手にしたソローリャが、こちら側を向いています。
◆裏面:『妻クロティルデの肖像画』
裏面には、ソローリャの愛妻クロティルデをモデルにした肖像画が刻まれています。ソローリャにとって、彼女はお気に入りのミューズでありモデルでもありました。
<10ユーロカラー銀貨>
◆表面:『馬の水浴び』
少年が馬を海から引いて上がる様子を描いた、1909年のソローリャ作品をカラーで再現。まばゆい光と白の色合いが、ソローリャの画家としての熟練度を示しています。
◆裏面:『水浴びの後』
海辺で子どもの濡れた体を拭く母親の姿を捉えたソローリャの1915年作品を繊細に表現。ソローリャは、夏の地中海の眩しい光を表現する才能を持ち合わせていました。
<50ユーロカラー銀貨>
◆表面:『浜辺の散歩』
表面には、バレンシアの浜辺で散歩する妻クロティルデと娘マリアを描いたソローリャの代表作をカラーで再現。背景の水面と砂浜は、長い筆運びによって浮かび上がって見えます。
◆裏面:『小さな帆船』
裏面には、ソローリャの最も有名な1909年作品を緻密な彫刻で表現。オリジナルの油絵では、光によって、人物が際立つ水面の様子を、柔らかな筆使いで描いています。
~ ホアキン・ソローリャ ~
ベラスケスやゴヤと並んで評価の高いスペイン人画家ホアキン・ソローリャは、個人や集団の肖像画、風景画、子どもの頃の思い出、社会的な物語、風俗画、光り輝く地中海の海岸、北スペインのビーチを描きました。専門家の多くは「印象派」や「ルミニズム」と定義していますが、ソローリャ自身は印象派には属していませんでした。しかし、印象派の作品に精通し、色彩の使い方や塗り分け方を吸収していた作家でもありました。彼の作品は本人の名を冠したマドリードのソローリャ美術館にほとんど収蔵されていますが、プラド美術館にも展示されています。さらに、パリのオルセー美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、キューバのハバナ国立美術館でも作品を見ることができます。